月曜日, 9月 21, 2009

テクニック --- ビーチスタート

私は、横浜市の海の公園をホームゲレンデにして活動しているが、その海で様々な人に出会う。また、去っていく人もいる。

皆、旅をしているだなあと思う。   

「人生という旅」。そしてその旅の中での出会いそして別れる。

「一期一会」と思えば、できれば出会いの機会を大事にしたい。

海の公園でウィンドサーフィンを始める方もいらっしゃる。最近、そういった方
からアドバイスを求めらる事も多くなった。

はやくうまくなってもらって、一緒にいろんな海に行く仲間が増えてほしいので、できるだけ有効なアドバイスをしたいと思う。

少しテクニックの整理をしておこう。今回はビーチスタート。海の公園は格好の練習場だ。

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ウィンドサーフィンを学び初めて、とりあえず乗って帰ってこれるという状態にまでなったとしよう。この時点で学んでいることは、
  • セールアップ
  • 弱風でのセーリング (アビーム、クローズドホールド(風上走り))
  • タック(方向転換)
これらの技術を習得する間には、セールのコントロールの方法もいくらか理解できているだろう。
  • ラフ・・・マスト手を前に突き出すようにして、ブーム手を後ろに引き込んで、ボードの後ろを足を押し出すとボードがラフする(風上に向かう)
  • ベア・・・マスト手を進行方向に突き出して(セールを進行方向に倒して)、前足を押し出すとボードがベアする(風上に向かう)
ここまでは一応できるという前提で、ビーチスタートのテクニックを整理してみよう。

【ビーチスタートを練習する環境】
  • 浅瀬(膝から腰くらい)
  • クロスショア・クロスオフショア・クロスオンショアで弱風2-4m/sくらい
  • 風下および進行方向に人がいないことを必ず確認。

【ビーチスタートを構成する要素を練習(1)---ランチング】準備段階だが、以下のチェックポイントは重要です。
  • ボードを沖に向けて海面に置く。
  • セールは風上側がマストで風下側がブームエンド。
  • マストをもって、風上側に体を移動。マストを海面にほぼ水平にして、セールをたなびかせることができるか確認。
  • ボードの後ろ側に立って、マストをもち、自分の頭の上を横切るようにリグを持ち上げてブームに手を移しかえる。この時ボードの風上側かつ後ろ側にいるはずだ。セールはブームを持った状態で頭上。風の強弱に合わせて両腕でセールを微妙に開閉させている状態のはずだ。
  • 風下に人がいないことを必ず確認。

ビーチスタートを構成する要素を練習(2)---リグコントロール
ボードの向きが重要。リグをコントロールして基本はアビームの向きにボードを向ける。浜辺でビーチスタートしている人たちをよく観察しよう。リグの操作は、基本的にはマストの押しひきとブームエンドの開閉だが、比較的良い方向を向いていて姿勢もよければ調整の程度も少なく、片方の操作でも十分だ。
  • ボードがラフしている。(風上をむいている)・・・リグのマストをアビーム方向からすこし下った方向に押し出し、ブームエンドを引き込ん(下に)で矯正。少し前に歩を進めると効果的。
  • ボードがベアしている。(風下をむいている)・・・リグのマストを引き込んでセールを開いて矯正。

ビーチスタートを構成する要素を練習(2)---リグコントロール-ドライジャイブ】
練習しているうちに、セールがひっくり返されたりして、ブームエンドが風上に、マストが風下側にくることがある。この時にあわてて、無理にセールをひっくり返そうとすると、突風で吹き飛ばされてとても危険。風の様子と方向をを見ながら、丁寧にブームエンドを持ってあげて、ひっくり返すという方法もある。
だが、ドライジャイブという技を身につけると将来的に様々な技で役に立つので、ここで紹介しておく。場面は、ビーチスタートをしようとして、突風にセールをひっくり返された場面から。
  • セールが適切な状態からひっくり返ってしまったら、まず、周囲の安全を確認。誰も風下にいないこと。また、自分はできるだけ道具の風上側にいること。(突風でセールが吹き飛ばされると風下側にいる人は大けがをする。)
  • セールをとばさないように水にぺたっとつけたまま、マストをひっぱる方向にボードの周りを水平回転させながら風上側に歩く。
  • 風の方向に対してマストが90度になった時点で、マストをあげて、自分の上を横切るように横断させてリグを頭上に持ってきて、ブームをもち、体制がとれたら、風上側の手はマストにもちかえ、風下側の手でブームの後ろをもつ。
  • その後、その状態でさらにボードを中心にボードの後ろ側に回転しながら風上側に歩いていくと、あるポイントで、マスト側からうけていた風がセールトップそしてやがてブーム側から入ることになる。そこで、マスト側の手はしっかりマストを支えて、ブーム側の手を離すと、セールがマストを軸に風の力で回転する。セールがふっとばないようにマスト側の手は回転を殺さないが、絶対にはずさないようにしっかり持っておく。
  • 先のラフベアを行ってボードをレディポジションにもってくる。



ビーチスタートを構成する要素を練習(4)---ゲッティング・オン

ビーチスタートでうまくボードに乗りあがるためのポイントは以下の通り
  • 後ろ足をボードに乗せ、体重は掛けずにボードを引き寄せる。(後ろ足に体重をかけないことと、蹴りださないことが重要。ボードを体の近くにキープするのが目的。そのため、かかとだけつけて、つま先は上にむけたまま練習するといい)
  • リグの開閉と後ろ足を使って、ボードの向きをコントロールする。(上記のリグコントロール参照)
  • 腕を上方に伸ばしてセールを立てて、後ろ足を使ってボードを体にひき寄せる
  • ブームの下に入って、セールに沿って伸び上がる。マスト手は伸ばし、ブーム手は引き込む。目線はマストフットを見る。風にセールが引っ張られて体が浮いてボードの上にのるという点が重要。
  • 乗りあがったら、前足をマストフットのわきに添え、足先でボードをおす。腰を落として安定した状態で行う。そのため後ろ足は体制が整うまでまげたまま。
  • 乗りあがったときに強風で前にとばされそうになったら、ブーム手を緩めてセールを開いてバランスをとる。
  • 初めての時は、なかなかバランスがとれない。風を受けたセールで体を支えてもらうという感覚が身に着くまでは、何回もくりかえすしかないと思う。ビーチスタートだけではなく、幅広く技を身につけようとしていくと、おのずとその間隔がわかるようになり、ビーチスタートの成功率もあがる。