土曜日, 4月 24, 2010

テクニック---- ウォータースタートのバリエーション。

スタンダードなウォータースタートをマスターしたら、ウィンドサーフィンの世界がぐっと広がることに気づくだろう。

もう強風の中でチンしても、セールアップという筋力トレーニングをしなくて済む。つまり無駄に体力を消耗しなくて済む。ということは、より長い時間ウィンドサーフィンをすることができ、技を磨くことができるわけだ。

でも、ウォータースタートをマスターしたばかりならば、うまくいかないケースも多いことにも気づくだろう。海のコンディションは様々だ。それぞれの状況への対応を学び訓練しておくと、ウォータースタートの成功率があがる。

スタンダードなウォータースタートはこのブログで
http://windsurfing-i.blogspot.com/2009/12/blog-post.html
で一度まとめたのでそちらを参照していただこう。


ここでは、海で巡り合うさまざまな場面の対応について、まとめておこう。



【ボードはアビームをむいているが、セイルは逆向きでブームエンドが風上側にある場合。】
セイルの向きが逆なのでひっくり返す必要がある。ブームエンドを持ち上げてセイルに風を入れる。風でひっくり返すと、マストが風上側に配置される。


【ボードのテールが風上をむいて、セイルは正しくマストが風上側にある場合。】
  1. ボードの向きを変える方法
    1. ボードの向きが逆なので、セイルの向きを変えないように、セイルを持ち上げて、その下でボードを回転させて、ただしい方向にむける。
  2. セイルを反転させる方法
    1. 片手でマストをもち、片手で風下側のボードのノーズを持つ。
    2. セイルを横上に引き抜きながら自分はセイルの下にはいり、水抜きを行ってセイルを宙に浮かせる(体重は手でボードに伝えながら、セイルのマストを持ってパタパタふると浮きやすい)。
    3. ノーズを持っていた手をブームに移し替え、セイルを宙に浮いた状態で調整しながらマスト側の手もブームに移し替え、顔はボードの進行方向にむけながら、体をボードのテイル側にもっていく。
    4. 浮いたセイルはやがて、ブームエンド側から風を受けるようになるので、その時点でブームのマスト手をマスト側にスライドさせて、ブーム手をマストをつかみ、もう一方の手を離してセイル返しを行い、あいた手でブームエンドをつかんで、セイルを宙に浮かせた状態をキープ。正しい位置になる。




【セイルの水抜き】
セイルが水面にぺたっと張り付いていると、セイルを水から抜くのも一苦労。水抜きのやり方をいくつか紹介しよう。もちろん、セイルとボードはウォータースタートのレディポジション(ボードはアビーム(風上から少し下らせた方)をむいて、セイルのマストは風の方向に対して90度で、風上にマスト、風下にテイル。)。

  1. 両手でマスト(ブームの取りつき部の少し上くらい)をもって後ろ向きに立ち泳ぎして、パタパタとするとセイルが浮く。両腕を体の前から頭の上後方に引き抜くように上げて、セイル下にもぐってブームをつかみ、操作する。まず、マストトップ側の手でブームエンド側をつかみ、マストフット側の手とあわせてセイルをコントロールしながら、良い状態でマストフット側の手をブームのマスト側をつかむ。ウォータースタートを開始する。
  2. マストトップが風上を向いている場合、セールトップは比較的浮きやすい。そして、風を入れてセイルを浮かしながら、マスト を片手で持ちあげたまま、上から伝って体をブームの位置まで持っていく。セイル下に体もってきたら、ブームをつかんで、両手でセイルをコントロール。この方法は、風が弱い時にも有効だ。
  3. 最初のうちは、ちょっと準備作業をすると水抜きしやすい。ブー ムをボードのテイルに 乗っけて、水とセイルの間に風の通る空間をつくる。風上側の手でマストをもち、セイルをほぼ海面に水平な状態にして、ゆっくりと風上側に泳ぐとセイルが浮いていく。ボードのテールが短く、ブームがのっからない時は、後ろのフットストラップを風下側の手でつかんで、その腕の上に、ブームを乗っける。
  4. いずれのケースもセイルと海面はほぼ水平で、セイルと海面の間を風が流れるようにもっていくことが大事。マストが上がって、ブームエンド(クリュー)が下がると、セイルがひっくり返されるか、ブームエンドが海に突き刺さって潜っていくので注意。あくまえ水平にひっぱる。
  5. クリューが垂直に水にささると、水抜きするのは不可能。海面に水平になる状態まで、どちらかにマストを引っ張ることになるが、えてして、マストが風下側になるほうにしか引っ張れないことも多い。
  6. 上達すると、クリューが垂直刺さった状態でボードの反対側からアップホールラインを引っ張り、セイルが抜けてボードを超えて自分のほうに倒れてくるその場面で、マストをつかんで適正な方向にセイルをむけながらブームをとり、ウォータースタートに入る方法もある。腕がないとできないだろう。


【ボードの上にあがる】
体を上げるには、風の力を使う。ある程度の風がないとだめ。

  1. つま先をノーズに向けて後ろ足を載せて、テイルを自分の尻の下に潜り込ませるように引き寄せる。
  2. テイルを尻の下に引き寄せるようにすると、自然に体は前に向かて起きる。ただひきよせるだけだと、体は後ろに向かって起きれない。
  3. 引き込む。セイル手でセイルを引き込む。そうでないと、体を持ち上げるだけのパワーがセイルに生まれない。(ただし、風が強い時は、上がった瞬間にセイルを開いて風をぬかないと、風に吹き飛ばされてボード越えをしてしまう)
  4. ボードに乗せた後ろ足を引きつけながら、マスト手を伸ばしてリグをノーズに向かって押し出す。セイル手は引き込むようにしてセイルに風を入れる。
  5. 伸ばしたマスト手の下に頭を潜り込ませるようにして起き上がる。この時、ノーズ側に体を傾けながら上がるように意識する。
  6. 体が上がったら、風の強弱により適切にセイルを操作。風が強いとふきとばされるので、セイルを開いて風を抜く。弱めの時は、セイルを引き込む。
  7. 風が弱いときに、体をもちあげるためには、体をできるだけコンパクトにマストフット側に近づけることと、セイルを高く持ち上げるためにブームのマスト手の位置を少し後ろにづらすことを心がける。てこをイメージすれば、なぜそうなのかイメージしやすいだろう。
【ビデオの紹介】


文字だけではわかりにくいだろうが、いいビデオを見つけた。



に、いくつかの場面を克服するビデオが掲載されているのでそれを見て勉強するのもいい。


ウォータースタートで大事なイメージは、以下の通り
*  飛行機の本体をボードに、翼をセイルに見立てること。
*  てこの原理で体をもちあげていること。