日曜日, 2月 11, 2007

天国で君に逢えたら

久しぶりに本を読んだ。
「天国で君に逢えたら」
飯島夏樹さんというプロのウィンドサーファーが肝細胞ガンでお亡くなりになる前に発表した小説だ。ベストセラーにもなった。

飯島夏樹さんは、肝細胞ガンとの闘病生活の中で、うつ病、パニック障害も併発したが、家族、友人達の励ましの中、精神面では立ち直り、余命宣告を受けたあと偶然であった執筆活動に生きがいを見出していったという。


ストーリーは、ガンセンターに働く若き医師(おそらくマニュアル的な業務の遂行能力は決して高くない医師)が、手紙屋という業務を開拓して、末期の患者が自分にとって大切な人(家族や友人)に、その心の内を手紙にまとめておくる手伝いをする(=手紙を代筆する)というストーリーだ。手紙の中には、様々な思いがこめられているが、おそらく残る生命を意識する中で、その人の目に見えてくるものがあるのだろう。

いたるところに「やさしさ」そして「あたたかさ」が満ち溢れている。
そして「innocent」だ。

僕らは日常の生活の中で、様々なものを負って、走りつづけているし、その行為もとても大切なのだが、見失っている大切なものもあるのだろう。そのもう片方の大切さを教えてくれる小説だと思う。
幅広い世代に読んでほしいと心から思える本だ。