火曜日, 9月 29, 2009

失われる砂浜 

ワールドサテライトというテレビを見ていたら、消失していく海を報道していた。

聞き捨てならぬとメモっておいたのでその内容を記録しておこう。



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今日本の海から砂浜が消失している。それが驚くほどのスピードだ。年間160ha、東京ドームに換算すると34個分もの砂浜が失われているという。

その原因は、一説に、ダムの建設といわれる。ダムは海に流れ出る土砂をせき止める。すると、砂浜に流れ込む砂の量が減って、一方的に砂浜が浸食されていく。砂浜の決定的な方法はまだないらしい。

90kmにおよぶ九十九里浜でも1970年には150mあった奥行きが、2005年には50mになってしまったという。
、砂浜を失うと様々な影響がある。もちろんウィンドサーファーにとっても安全な海がなくなるのは困ったことだが、住民の生活にも影響する。

浜辺に波のエネルギーを吸収する干渉帯がない。砂浜は天然の消波装置なのだが、その干渉効果を失った波は時に付近の道路や家を襲う大きな災害をおこす。

海岸浸食は海岸の地形も大きく変える。砂浜が失われると、波がその先の地盤にぶつかり砕いていくため、浜崖と呼ばれる危険な地形を生じる。

対策としては、ヘッドランドなどが行われている。ヘッドランドでは1個作るのに、5億円から10億円かかる。

その他、最近、自然の材料の再生利用という考え方を中心に以下の対策が講じられるらしい。


【礫養浜】  
砂浜に礫を巻くということによって、その上に砂がたまるという効果が期待される。単に砂をまく方法では潮の流れが急な場合結局砂が流されて根本的な解決にはならなかったが、この礫養浜という方法を使うと、小石が支えとなり周りの砂が流れ出さずに定着する。

茨城県の神向寺海岸で今実験しているそうだ。20000立法メートルの礫を開眼一杯に巻いた例では、2か月ほどで失われた砂浜をとりもどしたという。50cmほど堆積しているらしい。


【掘削土の活用】
茅ヶ崎海岸では、下水工事で発生する大量の土砂を海外侵食の対策に活用する試みが行われている。海岸に近い場所だと、その土砂の性状は砂浜に近い。1日570tでるという。

通常、掘削工事では加泥剤という薬剤を先端に注入しで土に粘りを出し掘りやすい状態にして掘削する。これまでの加泥剤は粒子が細かい粘土でできているため水をひどく汚してしまう。海の生態系に影響を及ぼすため、浸食対策には使えず、土砂は廃棄物処理となった。セルロースを加泥剤に応用した。この新しい加泥剤は、あわびなどから抽出した酵素を加えると水と二酸化炭素に分解され、粘り気がなくなる。これで海を汚す心配がなくなり、砂を海外侵食対策に使うことができるという。

土砂の再利用率が97%。この処理コストは、廃棄にかかるコストは一緒。この工事では土砂3万トンを発生するが、この浜で失われる50%を回復できるということだ。